音程をよくするために〜幼稚園生編〜

さて、音程の向き合い方、幼稚園児編です。
 この年代は、元々持った素質が自然にでます。
 そのため、一番時間をかけて音程感覚を養っていく必要があります。
 その際、私が注目している点は、
 ①耳の良さ
 ②左手の形
上記を、どのくらいのポテンシャルを持っているか、まず判断するようにしています。

 ①の耳の良さのポテンシャルを図るのは、比較的分かりやすいです。歌わせてみると、耳の良い子は正しく歌います。ただ、中には、まだ声帯が発達していなく、耳は良いけれど音の高低を表現出来ないというパターンもありますが。。
 ②の左手の形は音程をとるのに関係ないように思われますが、耳はよいのに手の形が上手くはまらず(力が入りやすい、指が細く形が保てない、指の分離ができていないなど)、音程が綺麗にハマらないケースがとても多いです。
 このように、良い耳、良い手の形を習得すると、音程を綺麗にとることができるようになります。

 では、まだ耳が育っていない、手の形が上手くハマらない場合、どのようなレッスンをしているのでしょうか。
 
⭐︎良い耳を育てるために
→まず、ピアノの音を、ハミングで真似ることから始めています。音名(ドレミ等)で歌わせて、音が取れていたら音名で歌わせますが、幼児の場合、ドレミと言葉で言うと、発語することに引っ張られて、音程がつかないケースをいくつか見てきました。
 その点ハミングは言葉がないので、ピアノの音を聴き、その音を真似ることが出来ています。慣れてきたら、ハミング→音名(ア〜〜ドーー)と、音をハミングでとり、音名で歌うという流れを繰り返すようにしていきます。
 大体どの教本も、いくつかの童謡を弾くことになるため、この頃までには、音名で音程をとって歌うことが出来るようにしています。

⭐︎手を良い形にするために
→これはすぐに解決する部分ではないので、長いスパンで考えていきます。
 大体どの子も問題になるのは、
・親指に力が入る
・一つ指を動かすのに、すべての指でうごそうとする(特に薬指を動かすと、小指も動く)
・手首に力入る。手首を動かして指を動かそうとする
あたりが問題になってきます。
これらを解決するために、私は新しいヴァイオリン教本1の途中あたりで、セブシックop–1.part1の1番で形をなおすようにしています。