人生の扉


 〝教えるとは学ぶこと〟という言葉がありますが、私もレッスンで生徒の皆さんとの関わりの中で、学んでいることが沢山あります。
 その中の一つに、ヴァイオリンを長く続けるためには、時には一度手放すことも大事だということ。

 どんなにヴァイオリンが好きで、弾きたくてたまらなくても、環境によっては続けることが難しくなる時もあります。
 大人になるにつれ、自分の体調、家族のこと、仕事や勉強のこと。。優先順位を考えて泣く泣く手放さざるを得ない。
 でも、いつまでも雨の日が続く訳ではなく、絶対に晴れる日が来るように、またヴァイオリンを再開出来る日も来る。
 そうやって、晴れやかな顔で戻って来てくれる生徒さんの姿から、一度閉じた扉も、また開く日も来るのだと知り、せっかく出会った縁はずっと大事にしたいなと心から思うようになりました。

 テクノロジーが進み、人との関係が希薄になった今だからこそ、一度巣立って行っても、またいつでも戻って来れる。そんなホームのような教室でありたいと思います。

 ちなみに、題名の〝人生の扉〟は竹内まりやさんの歌の題名です。
 学生時代から、この歌に励まされて来た、とても大好きな歌です。